Harvard school of Public Health, Boston より – 小林 諭史

2014
12.05

ハーバード大学公衆衛生大学院; Harvard school of Public Healthに留学しています小林諭史です。ボストンでの生活も残すところわずかとなりました。

11月までは紅葉が綺麗な所も多く気持ちのいい季節でしたが、明日の天気予報では-7度とのことで、ついに冬を迎えたのかと実感したところです。

 

この留学の一番の成果を挙げるならば、優秀で魅力的な人にたくさん出会えたことです。留学してからたくさんの人に出会うために、積極的に活動してきました。

 

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 Tafts fletcher school にて

 

こちらでSNSや名刺交換をした人は200人近くになりました。日本にいては出会うことはなかった、様々な領域のたくさんの方と出会い、刺激を受けました。

人とのつながりがこんなにも素晴らしいものなのかと本当に実感しています。

 

アメリカで出会った医師の先生方も、経歴が様々で、これからのキャリアプランの参考になりました。

他にも医学以外の研究者、ビジネススクールやロースクールの大学院生、世界中をフィールドに問題にプロジェクトに取り組んでいる方、すでに起業されている方や弁護士として活躍されている方もいて、そういった人たちの考え方に触れ、また自分の考えを発信していく中で自分がどんどん変化していることを実感しました。

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 ボストン大学医科大学院(医学部)の学生と

 

私の所属するラボは社会疫学という研究をしています。社会的な要因が健康や寿命にどう影響するかを研究する部門です。

以下は社会疫学で有名な論文の図で、ハーバードの教授が書いたものです。

(実際に会ってお話しました)

Fig

 出典:Berkman et al. Emotional Support and Survival after Myocardial Infarction.
    Ann Intern Med. 1992;117(12)

このグラフが示しているのは心の支えとなる人の存在の有無によって、心筋梗塞の発病6か月後の死亡率が約2~3倍異なるという結果です。人とのつながりが寿命さえも決定すると言ったらにわかに信じがたいかもしれませんが、こうした課題も人の健康を守るため、公衆衛生学においては重要な研究になってきます。

私の研究は調査によって得られたデータについて、統計学を駆使して解析し、健康を決める社会的要因を調べています。

日本では公衆衛生学は医学部の講座の一つとしてあるのが一般的で、あまり有名ではない学問分野かもしれません。しかしここアメリカでは非常に研究が盛んで、ハーバード公衆衛生大学院は医学部から独立して多くの医師や医療関係者、政策に関わる公務員などの方が公衆衛生大学院で学んでいます。

日本からも多くの医系技官(医師免許を持った厚生労働省の職員)がこれまで留学されています。医師として臨床だけでなく、研究や行政、政策立案に至るまでPublic Healthのマインドを生かした活躍をされています。

 

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                ラボのあるLandmark Center

 

自分は将来自殺対策に携わる医師を目指しています。

公衆衛生学を駆使して、社会の病理を明らかにし、治療していく。

ここアメリカでしっかりと勉強して、多くの人と出会い、刺激を受け、成長したいと考えています。

 

 

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